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ディマルコのプレースタイルを徹底解説:世界最高の左サイドバック

ツバサ

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世界最高の左サイドバックは誰だ?

この問いに対して、多くの有識者が彼の名前を挙げている。

フェディリコ・ディマルコ

インテルミラノだけでなく、イタリア代表の中心選手としても活躍するフェディリコ・ディマルコ

この記事では、世界最高の左サイドバック・ディマルコのプレースタイルを解説する。

基本情報(Information)

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基本情報Federico Dimarco
①生年月日1997年11月10日(27歳)
国籍イタリア
身長/体重175cm/75kg
所属クラブインテル・ミラノ
ポジションCB, LSB, LWB
背番号32番
利き足左足
推定年俸740万ユーロ
Federico Dimarcoの基本情報

経歴(Career)

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クラブ出場成績
14/15インテル 10G0A
15/16アスコリ 120G:0A
16/17エンポリ 150G/:1A
17/18シオン 90G:2A
18/19パルマ 131G:0A
19/20インテル 30G:0A
19/20ヴェローナ 130G:3A
20/21ヴェローナ 355G:3A
21/22インテル 322G:2A
22/23インテル 334G:3A
23/24インテル 305G:6A
24/25インテル 324G:7A
Federico Dimarcoの経歴

プレースタイル(Playing Style)

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素晴らしいスキルを誇り、欧州の第一線で活躍するフェディリコ・ディマルコ

では彼のプレースタイルを、丁寧に解説していく。

左足から放つ高精度クロス

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世界最高のLSBと評されるフェディリコ・ディマルコの最大の強みは、左足の高精度クロスだ。

軽快なステップで左サイドをスプリントして、左足でピンポイントクロスを供給する、彼が最も得意とするプレーの型である。

所属するインテルでは、アルゼンチン代表FW ラウタロ・マルティネスフランス代表FW マルクス・テュラムの強力2トップを狙って、ディマルコがクロスを供給する形が定番と化している。

また、2トップを囮にして、大外から走りこむオランダ代表RWB デンゼル・デュンフリースに合わせる場面も多い。

左足の精度に加えて、高い判断能力があるからこそ為せる技と言えるだろう。中の状況を即座に正確に把握して、ゴール確率が最も高い選手を狙ってクロスを供給している。

そんなディマルコはある取材で、クロスの蹴り方について以下の様に語る。かつてインテル・ミラノに所属したアレクサンダル・コラロフの蹴り方を参考にしているらしい。

「蹴り方だけど、僕は足首の内側を使っている。FWがゴールを挙げやすいボールを上げられるように、ちょうど良い力で蹴るようにしているんだ。僕は(アレクサンダル)コラロフが好きだったんだ。彼は本当に良いクロスを上げていて、彼の蹴り方が大好きだった。幸運にして1年間、彼と一緒に練習することもできたので、少し学ぶことができたよ」
引用元:DAZN

相手を剥がすトラップ技術

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ディマルコのプレーで特徴的なのが、トラップで相手を剥がす技術だろう。

完璧な位置にボールを止めることで、相手選手が簡単に飛び込めない状況を作りだす。

"相手の足が届かない" & "自身の懐の範囲内"にボールを置くため、相手DFの動きをピン止めすることが可能。

卓越した突破力、爆発的スピードを持たないディマルコが、意図も簡単にサイドの攻防を制してクロスを挙げてしまうのは、この点がポイントだと推測する。

加えて、静止状態だけでなく、トップスピードで走りながらトラップする技術も素晴らしい。トラップがスムーズなため、クロスまでの一連の動作が非常にスムーズだ。

ちなみにディマルコは、自身のトラップについて以下のように語っている。

僕はトラップで相手をかわせる選手にずっと憧れていた。ドリブルは僕の特徴ではないので、1、2回でボールを止められるようにしている。ロッカールームでチームメートたちとも話をしているが、走りながら1タッチでボールを止めたり、そこからクロスを上げたり、パスを出したりするのが、本当に楽しくて好きなんだ
(引用元:DAZN

また相手を抜き切らずクロスを挙げる場面も多いが、トラップの正確さ故に、一瞬の隙を逃さずクロスを供給できるのだろう。

運ぶドリブル

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彼のプレーで特徴的なのが、この運ぶドリブルです。

敵プレスに嵌められそうな場面では、左足を駆使したドリブルで内側に切り込み、プレス回避を試みる。

足元の技術が高く、ボールの持ち方も巧みなので、ボールを全く失いません。相手からボールを隠しながら、一瞬の緩急で相手マークを剥がしてしまう。

また、独特なリズムで繰り出すドリブルも、彼が簡単にボールを失わない理由の一つだろう。

自陣からドリブルで持ち運び、相手選手をギリギリまで引き寄せることで、相手守備陣形にズレを創出する。フリー状態の味方を作り出す。

敵DFから体を付けられようが、2~3人に囲まれようが、なかなかボールを失わない。それどころか、敵DFのタックルパワーをいなして、逆に自身が推進するパワーに変えてしまう。

シュート技術・得点能力

正確無比なクロスでアシストするだけでなく、高い得点能力を誇るディマルコ。

切れ味鋭い左足から、これまでに数々のゴールを叩き込んだ。

得点パターンは飛び道具の左足シュートが多いが、他にもPA内で攻撃のアイディアを発揮した得点も多い。

言葉より映像の方が凄さが伝わるので、ぜひ下記の映像を見てほしい。

①まずはこちら。2023年11月12日に行われたフロジノーネ戦での得点。

左サイド・センターサークル前方から超ロングシュートを沈めた。GKの位置を確認し、驚くべき左足の精度を発揮した得点であった。

②続いてこちらを。2024年12月7日に行われたパルマ戦での得点。

PA角付近でボールを受けると、2タッチで前方に位置取る アルバニア代表MF ヘンリク・ムヒタリアンへ付ける。すかさずディマルコはPA内に侵入を図る。ムヒタリアンからの折り返しを巧みなコントロールから、見事ゴールに流し込んだ。

類まれなるサッカーIQ

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左足のキック精度が注目されるディマルコですが、並外れたサッカーIQの持ち主でもあります。

攻撃でアクセントとなり、チームに違いを生み出せる選手。状況判断能力が高いため、相手の動きを観てプレーを変えることが可能だ。

ポジショニング、視野の広さ、崩しのアイディア、ボールの引きだし方、ボールの持ち方、後方からの持ち運びなど、効果的なプレーでチームを助けてくれる選手。

言葉では伝わりづらいと思うので、幾つか映像とともに紹介します。

【市場価値】ディマルコの現在地

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市場価値の観点から、全ての左サイドバックにおけるディマルコの現在地を測定する。

市場価値がすべてではないが、市場価値は市場における需要・価値を示す指標であり、プレイヤーとしての客観的評価が大いに関連する。

今回はtransfer mark を利用して、左サイドバックの市場価値ランキングTOP10を抽出した。

検索条件
順位選手年齢市場価値
1J・グヴァルディオル Croatia2375.00m €
2A・バルデ Spain2160.00m €
3F・ディマルコ 2760.00m €
4N・メンデス Portugal2255.00m €
5A・デイヴィス Canada2450.00m €
6D・ウドジェ
Italy
2245.00m €
7R・カラフィオーリ
Italy
2240.00m €
8A・カンビアーゾ
Italy
2540.00m €
9T・エルナンデス France2740.00m €
10A・グリマルド Spain2940.00m €
引用:www.transfermarkt.jp

現時点でのディマルコの市場価値は、世界3位の60.00m €を記録している。

市場価値から判断しても、ディマルコが世界最高の左サイドバックである評価は妥当だと分かる。

エピソード(Episode)

最も尊敬する選手テオ・エルナンデス。他にもロベルト・カルロスマックスウェルの名前を挙げている。

弟もサッカー選手:弟のクリスティアン・ディマルコもサッカー選手として活躍。インテルの下部組織出身。セリエCを中心にプレーしているのだとか。

生粋のインテリスタ:ミラノ出身でインテル下部組織育ちの彼は、幼い頃から生粋のインテリスタである。インテルのユニフォームを着て戦うことが一番の幸せと語るほど。

インテルOBマルコ・マテラッツィ元イタリア代表DF マルコ・マテラッツィと親交があり、頻繁に連絡を取り合うそうだ。マテラッツィが、いつも試合のことを褒めてくれるのだとか。

印象に残っている日本人選手DF 長友佑都MF 鎌田大地MF 本田圭佑

プレー動画(Movie)

まとめ

世界最高の左サイドバックディマルコのプレースタイルを解説した。

現時点でも世界最高LSBの呼び声高いディマルコだが、守備面の安定感には課題が残る。

今後キャリアの絶頂期を迎えるディマルコの活躍に、これからも目が離せない!

最後までお読みいただきありがとうございました。良ければ他の記事もぜひご覧ください。

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